ターミネーター: 新起動/ジェニシス
「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」を観た。
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久しぶりに映画館に足を運んだ。
ターミネーターの最新作、どんなものか。
これまでのターミネーターで積み上げた、サラ・コナーを守るという基本ラインが完全にリセットされ、まったく新しい物語として進行していく。パラドックスのオンパレードで、頭の中が整理つかない。(^^;
T2では強敵だったT-1000も登場するが、旧式のT-800が、あっという間に葬り去ってしまう。
これまでの作品では、対抗できない強力な敵を相手に戦い、恐怖の連続だったが、今回の作品ではそれがない。
T1では、人間では対抗できないアンドロイド、T-800 が敵。
圧倒的な強さで、倒しても倒しても襲ってくる。
T2では、液体金属の T-1000 が敵。
T-800 ではまったく歯が立たず、防戦一方だったが、溶鉱炉に落として、なんとか勝った。
T3では、更に強力な T-X が敵。
味方のターミネーターは新型の T-850 になったが、やはり、まったく歯が立たず、防戦一方。最後は自爆で、なんとかドロー。
T4では、再び T-800 が敵。
カイル・リースとマーカス・ライトが協力して戦い、なんとか倒したが、カイル・リースは心臓を貫かれ、マーカス・ライトの心臓を移植する事となってしまったので、勝ったとは言えない。
今回も新型ターミネーターは登場するが、まったく対抗できないほど強力な敵ではなく、T-800 が自前で作った武器を持つことで対抗できるレベルで、それほどの強さは感じない。
これまでのシリーズでは、迫りくる強力なアンドロイドと戦うという、圧倒的な恐怖感を感じながら物語が進行する。敵のアンドロイドは倒しても倒しても復活し、決して諦めることなく、どこまでも追ってくる。
しかし、今回の作品では、敵に圧倒的な強さはない。ラストでも、新型ターミネーターは、いとも簡単に旧式の T-800 に押さえ込まれてしまった。今回の作品では、最初から最後まで恐怖は感じなかった。
また、「ターミネーターが笑う」シーンも、どうにも、中途半端な感じが…。
T2以降で何度か登場するシーンだけれど、今回の作品で必要だろうか。そもそも、今回登場する T-800 は、サラが9歳の頃から一緒にいるという設定で、かなり長い時間一緒にいるのに、本編中でサラが言う「人間性を教育中なの」という言葉も、今更という気がする。
また、この記事の冒頭の画像のシーンでも、「ヨロシクな」と言うなど、本編のところどころでターミネーターはジョークを言う。しかし、T2で言った「地獄で会おうぜベイビー」などのように、物語の伏線として出るセリフではなく、今回の作品では何らの伏線もなく、単にオヤジギャグを連発しているだけのように思える。
今回登場する T-800 が人間性を持っている事は、笑うシーンやギャグがなくても十分伝わるので、これらのシーンは、ちょっと余計な気がしてならない。
今回の作品は「新起動」で、これまでのシリーズからの縛りから決別し、別の方向性を模索しているのかな。
3部作らしいので、今後の展開に期待したい。