駐車監視員
「駐車監視員」を取得してみた。
駐車監視員とは、こんな制服を着ていて…
自転車で街中を走り、違法駐車の車に、ペタペタ違反切符を貼る人たち。
俗に「ミドリムシ」と呼ばれている人たちだ。
駐車監視員になるためには「駐車監視員資格」という国家資格を取得する必要がある。
資格の取得そのものは、そう難しくないが、2日間の講習に参加と、考査のための1日が必要となる。
で、今後のためにという事で、仕事を計3日間休んで、駐車監視員資格の取得にトライしてみた。
講師は現役の警察官が担当する。
しかし、どの講師も開口一番、必ずこう言う。
辞令を受けてこの仕事に移りましたが、法令を改めて勉強し直してここに来ております。
講師は警察官であるが、駐車監視員の講師が専門ではなく、普通に辞令が来てこの仕事に就いただけで、付け焼刃的に勉強して講師をするという事である。
つまり、教える側も、ほぼ素人という事だ。
ただ、それ以前に、そもそもの疑問が浮かぶ。
「勉強し直した」という事は、すなわち、一般の警察官は、道路交通法における「駐車違反」を完全に理解していないという事である。
かく言う私も、資格を取得するために講習会に参加しているわけだが、私自身、自動車運転免許は取得しているものの、漠然と「法廷駐車禁止場所」「指定駐車禁止場所」があり、そこに駐車してはいけない、という程度しか理解していない。
しかしながら、厳密に法律に照らし合わせようとすると、「講習をしなければならないほど」複雑で難しいものなのである。
本来であれば、自動車運転免許を取得している者は理解していなければならない事なのであるはずだが、実際には、自動車学校ではここまで勉強しない。先の「漠然とした」駐車禁止場所が教えられるだけである。
しかし、実際には複雑な法律に照らし合わせ、「え? これが駐車禁止?」という場所でも駐車禁止になってしまう事がある。逆に、「え? これが駐車OKなの?」という事もある。
講習では、様々な駐車禁止または駐停車禁止に該当するケースを勉強する。
たとえば、こんなケース。
停留所から10mは、法定駐車禁止場所である。駐車禁止の標識が設置されていなくても、駐車禁止である。
駐車車両は、停留所がある車線ではなく、対向車線に駐車している。
この駐車車両は、一見、駐車禁止に該当しないように見える。
ところが、この駐車車両は駐車違反に該当する。
理由は、こうだ。
「停留所から10m」とは、「停留所の前後10m」ではなく、「停留所から半径10m」なのである。
よって、駐車車両は「停留所から半径10m」にあるため、駐車違反となる。
反対車線であっても、交通状況に影響を及ぼすという理屈はわからないでもないが、普通はこんな風には考えないよな。
ちなみに、講習の際に、こんな質問をしてみた。
答えはこうだ。
パトカーは、公務中の車両とみなします。
おいおい、それはないだろう。
交番に立ち寄ったパトカーなどが駐車禁止の状態にあるなんてことは、ゴロゴロある。
自らを律する意味でも、警察の車両だからこそ、駐車禁止のステッカーを貼らなければいけないのではないか。
ちなみに、自衛隊の車両、米軍の車両、消防署の車両、外交官の車両などはステッカーを「貼る」。
外交官の車両はともかく、他の車両は公務中の車両とみなしていいと思うのだが、これらの車両には貼ると言う。
もっとも、仮に、これらの車両に貼ったとしても、握り潰されて終わりだと思うが、「警察の車両には貼らない」というのは、あからさまな「身内に甘い」体質と言わざるを得ない。
また、「握り潰される」というのもおかしい。駐車禁止の基準は「そこに車両が駐車する事が危険か否か」であって、「公共の車両か否か」ではない。「公共の車両だから駐車していても安全」という考え方はおかしい。公共の車両であっても、駐車禁止に該当する車両であれば、握りつぶしてはならないはずだ。
ちょっと気分悪かった。
講習の約一週間後に考査がある。
過去問題集が欲しいのだが、唯一、公式とされている過去問題集は、どういう訳か絶版になっていて手に入らない。
絶版になってしまっている過去問題集はこれ。
この書籍は絶版になっており、新品は購入できない。Amazonだけでなく、楽天ブックスなどでも同様に、新品は購入できない。
Amazonのマーケットプレイスなどでは中古が販売されているのだが…新品で価格は税抜き1,200円なのに、中古は9,000円~10,000円と、べらぼうに高い価格で販売されている。
しかも、「コンディション」に記載されている通り、「注意!書き込みがあります」なのに、元値の約8倍の価格!
唯一、公式とされている過去問題集が絶版なのだから、需要と供給の原則から値段が高くなるのは致し方ないのだが…こんな重要な書籍が、どうして絶版になったまま再版されないのだろう。
(2020/05/14追記)
Amazonマーケットプレイスでも、適正な価格の中古が売られるようになっている。よい事だ。(^^)
勉強するのに過去問題集は欲しい。さりとて9,000円はちょっと高い。
いろいろWEBで探して というサイトで個人が販売している過去問題集があったので、この過去問題集を購入してみる事にした。
ただし、けっこう間違いが多いので、注意が必要である。
実際、私も、答えの間違いを販売主に指摘して、訂正をしてもらった。
私以外にも、購入者から間違いが指摘されて何度が訂正が行われているので、初版は間違いだらけだったのかもしれない。
しかし、一部間違いはあるものの、過去問題集としては概ね使えて、十分に役に立った。
(2016/07/08追記)
ダウンロードできる過去問題集が増えていたので紹介しておく。
さて、考査の結果は、考査終了後、数時間で発表される。
おそらく、マークシートを読み取って採点をする機械があるのだろう。
数週間後くらいに合格通知が送られてくるものと思っていたのだが、ヤキモキして待つ必要もなく、精神衛生的にもよい。(^^;
で、無事、合格。(^^)
送られてきた免許証は…パウチされた安っぽいペラペラのもので、国家資格の威厳など、まったく感じられない。
もうちょっとなんとかならんのだろうか。
ちなみに、申請の際に、手数料を愛知県収入証紙で支払う必要がある(ずんべは愛知県で申請したので)のだが、ビンボー人ずんべは、愛知県収入証紙を金券ショップで調達した。
額の大きい愛知県収入証紙は数が少なく、かつ、割引率が低かった(=高かった)ので、額の小さい愛知県収入証紙を集めた結果、こんな状態に…。(^^;
私が申請書類を提出に行ったとき、警察官はちょうどカップラーメンにお湯を入れたところだった。大量の愛知県収入証紙をどうしたらいいか、いろいろ問い合わせをしてくれた。申請書類の受理が終わった時には、もちろん、カップラーメンは伸び伸び。すまないねぇ。
しかし、金券ショップで買い集めたおかげて2割ほど浮いたのだ。許しておくれ。(^^)
それほど難易度の高い試験ではなかったと思いますので、講習のみで合格できるかもしれません。
しかし、この試験は、講習と試験がセットになっており、試験のみを受けるという事はできなかったと思います。そして、1回の講習+試験の費用が数万円と、そこそこ高額な資格試験ですので、一発合格するためにも、講習以外でも勉強をして試験に臨む事をお勧めします。